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ロンサムジョージ 

ロンサムジョージが亡くなった。
私はガラパゴスで彼に会っている。

人間の感情からすると寂しかったろうとか
無念だったろうとか想像するのだろうけれど、
彼は淡々と生きて、死んでいったのだろう。

彼がピンタゾウガメの最後の一頭になった原因は、
密漁と島へのヤギの導入だと言われている。

密漁は話して通じる人間がやっている事だが、
(止める、止めないは別として…)
導入されたヤギや放された猫はガラパゴスの脅威だ。

ガラパゴスに行った際、猫を見つけたガイドが
刃物を持って追いかけたのにはびっくりした。
人間のやった事に始末をつけるのは人間という考え方に、
共感はできるが、私には猫は殺せないだろうと思った事を思い出す。
島と島の生態系を守る事も担っているガイドには
それ位の覚悟が必要なのだ。

カラパゴスは私が行った時よりもいい状況ではないと聞いている。
それは観光客のマナーの悪さと
それを抑えきれないガイドの質の低下なのだろう。

ガラパゴスは私が日本で感じていた野生動物との距離感を覆された場所だ。
触ってはいけないが、手を伸ばせば、触れる距離に逃げずにそこにいる。

この距離感が永遠である事、
固有種の宝庫であるガラパゴスの動物たちが
これ以上一種も欠けずに残る事、
難しい事かもしれないが、そうであって欲しいと私は願う。

ロンサムジョージ、お疲れ様でした。

コメント

泉鈴 様

コメントありがとうございます。

人と自然の関係は
とても難しい問題です。

開拓され森や林が消え広い牧場に羊がたくさんいても、
自然が豊かと表現する方たちがたくさんいて、
その人たちを責める気は全然ないのですが、
私はそれを寂しいと感じます。

でも私も人間。
便利な生活はなかなか捨てられないので、
あまり偉そうな事は言えません。

だから、ピンタゾウガメが絶滅したという報道を見て、
一人でも、たった一人でも、
少し自然の事を深く見つめてくれたらうれしいなと思います。

永遠は無理だとしても。

ガラパゴス。
わたしはテレビでしか知りません。
温順さんは
実際に行かれたことが
おありなのですね。

ヤギが
やっかいな存在になっていることは
こちらの離島でも時折
耳にすることがありますが
まさか
ガラパゴスでもとは
知りませんでした。
そして
猫までも
そのような存在だとは
思ってもみませんでした。

人間が持ち込んだものは
責任を持って
その場所から人間が持ち去る。
固有なものを守るということは
究極
「人間近寄るべからず」でしょうか。

ロンサムジョージは
標本にされるのかなぁ。
そうしたらいつか
ガラパゴスの外で会えるだろうか。

天寿を全うしたのかなぁ。
できれば
そうであってほしいです。

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